新卒のためのネットワーク応用-7

この講義もあくまで基礎であり、興味がある人は
自分自身で書籍やネットそのものから自学自習することを
推奨するものとします。

VPNについて

昨今の情勢下で、リモートワークも一般化し、
拠点と拠点とを結ぶインフラも普及してきている。
これらについて、ここでまとめてみる。

リモートアクセスのVPN

拠点に対し、外部からアクセスすることで、拠点の
内部の機器に接続したり、拠点経由でないとアクセスできない
接続先にも入れるようにするVPNがある。
L2TP/IPsec VPN
YAMAHAやNEC等のルーターで実装できる方式。
この方式では、ルーターがVPNを提供するサーバーとして
稼働し、L2TPだけでは実現できない暗号化をIPsec
によって可能にしている。また、拠点側のグローバルIPアドレスは
固定されたものである必要があるが、アクセス元の端末が
保持するグローバルIPアドレスは変動するものでも対応が
可能となっている。そして、専用クライアントソフトウェアでの
構築を除き、事前共有鍵の統一を必要とする。
SSL VPN
FortigateやPalo Alto等のUTM(Unified Threat Management・
統合脅威管理)で採用されているリモートアクセスVPN。
SSL技術によってトンネルを作ることで実現し、ブラウザや
専用のアプリで構成し、やり取りの中で証明書を使うもの。
通信速度のパフォーマンスは拠点に用意されているUTMの
スペックに依存するが、L2TP/IP`secの多くと異なり、
ソフトウェアでなくハードウェアで処理するため、
恩恵を受けられやすい。

拠点間を結ぶVPN

IPsec VPN
拠点と拠点を結び、専用線と呼ばれる物理的な直結に
近い環境を疑似的に、かつ低コストで実現する。
この技術を応用することで、拠点間のみならず、
オフィスとデータセンターやパブリッククラウドとも
機器等のリソースを共有することも可能である。